「大卒だって無職になる」を読みました
- 作者: 工藤啓
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2012/10/31
- メディア: 単行本
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勉強や就職に関する本を何冊か読んでみようと思い、amazonで面白そうな本を探してみてこの本を読んでみました。
面白かったです!
簡単に言うと、大学を出て働くことに躓いている方々の事例を中心に書かれている本でした。
タイトルの通り、大卒の方が就職して実際に仕事をした結果、現実に悩んで仕事を辞めてしまったり、そもそも就職活動で躓いてしまい、そのままニートになってしまうという方がいらっしゃるそうです。※どの方も、著者のNPOのサポートを受け、みんな再び社会に出て働き始めることができたようです。
よくある意見として、ニートになるのは、
「親の育て方が悪い。甘やかしすぎなんだよ。」
「本人のやる気がないんじゃないの」
という意見があり、本書でも取り上げられています。
個人的にもそういう気持ちはあるのですが、著者の工藤さんはニートになる理由は人それぞれの理由があるというように書かれていらっしゃいました。
またNEETという問題は私たちがこれまで経験したことのない先進国の社会課題だと工藤さんは書かれています。
※日本だけでなく、他の先進国を含めて経験したことのない課題であるそうです。
確かに、現在は集団就職とか高度経済成長といった言葉で語られる時代とは全く異なります。
大企業に就職すれば将来に渡って安定が保証されるという時代でもありません。
そういう意味で、NEETになるというのは決して本人だけの問題ではないのだなと本書を読んで思いました。
豊かな先進国が抱える社会的な問題ということであれば、きっと日本が現在豊かさを失って貧乏な国に戻ったら、この問題は自然消滅するんだろうなぁと思いましたが、現在の豊かさを保ったままどうやってこの問題を解決するのかが問われているという事だと思います。
著者の工藤さんは、
「路上に落ちているごみを拾う」
「高齢者や妊婦さんに笑顔で席を譲る」
「子供たちに元気な声でおはよう!と声をかける」
といった、
「半径3メートル~5メートルの範囲にある世界」
を大切にしていくことが重要なんだと語られています。
すごく共感できる素晴らしい考え方です。
しかし、どれも簡単そうに見えて実践するのはとても難しいです。
恐らく学校の勉強や、社会に出てからの仕事の方がずっと難しいはずなのにどうして上記のような簡単なことができないんだろうと疑問に思います。
恐らく大人がそういったことをしなくなってしまったからだと思います。
「挨拶ができる大人」と「挨拶をしない大人」
電車やバスで、「席を譲る大人」と「席を譲らない大人」
公園や道路で、「ごみを拾う大人」と「ごみを捨てる大人」
どちらがよく見る光景かと言われると残念ながら後者の方のような気がします。
自分の行動を振り返ってみて、少しでも前者のような行動ができるようになっていきたいと思いました。