チャットワークが4月から値上がりするらしいです。
※一度上げた記事でしたが、色々とサービスについて考えてみたので加筆しました。
http://help.chatwork.com/hc/ja/articles/215982898help.chatwork.com
現行のビジネスプランは1ユーザーあたり月額200円。(2016年3月31日まで)
※ユーザー数により100円~200円で変わってくる。
2016年4月から1ユーザーあたり500円ということは単純に倍以上の値上げなので高いなぁと思いましたが、よくよく考えると恐らく1ユーザーあたり月額200円という当初の値段が安すぎたんだと思います。
■そもそもサーバー利用料が高いのでは
日本のWebサービスのほとんどがAmazon EC2やS3で構築されていますが、個人的にはEC2やS3は決して安いサービスではないと思います。
(S3は作るサービスの特性によって料金が変わってくると思いますが、EC2は確実に高いと思います。)
AWSは便利だし高機能なので使いたくなる理由はわかりますが、サービスのユーザー数が増えてもサーバ利用料が売上を圧迫するのであればインフラの構築にもっと他に選択肢があってもいいようにも思います。
私はプログラマなのでインフラについてはそこまで詳しくないのですが、
最近のネットの記事や書籍を見ているとインフラエンジニアの仕事の定義が、
サービスに最適なパフォーマンスを出せる環境を構築する
で終わってしまっているんじゃないかと思います。
クラウドサービスを利用すればサービス利用料がかかりますし、自社でサーバを立てると電気代や設置する場所といったコストが発生します。
インフラを構築する過程で技術的な最適解を求めるのは正しいと思いますが、使うお金に制約が無いのであれば極端に言うと誰でもできると思います。
技術的な最適解を見つけた上でコストと突き合わせて考えるという部分の仕事がネットの記事や書籍を見ているとあまり語られていないような気がします。
個人的な考えですが、技術的最適解でなくても費用対効果を踏まえてトータルで見たときに他の選択肢でも賄えるのであれば
「2番じゃだめなんでしょうか?」
という事業仕訳的な発想でも構わないと思います。技術的な優位性がサービスの価値に関わるのであれば2番ではだめだと思いますが。
ちなみに各ビジネスプランの値上げ具合を見てみますと、
■ユーザー数10人の場合
いままで:月額 2,000円
これから:月額 5,000円
値上げ率:2.5倍
■ユーザー数50人の場合
いままで:月額 10,000円
これから:月額 25,000円
値上げ率:2.5倍
■ユーザー数100人の場合
いままで:月額 15,000円
これから:月額 50,000円
値上げ率:3.33333倍
■ユーザー数200人の場合
いままで:月額 20,000円
これから:月額 100,000円
値上げ率:5.0倍
お、おう・・・
これまでボリュームディスカウントがあったためか、ユーザー数が多いほど値上げ率が上がっていることになるようです。
※こうしてみるとサーバー利用料が負担になっているという予想はあながち間違ってなさそう。
[2016/3/10 追記]
「値上げかぁ・・・」と思っていたら、よくよくお知らせを見るとプランの変更が無い場合は料金体系が変わらないと書かれていました。
てっきり「値上げ」だと思っていたら新規契約から適用される「値上がり」ですね。
いままで通りの料金で使えるのか・・・よかった。よかった。
■感想
チャットワークは普通に仕事で使う分にはとても使い勝手がよいサービスだと思いますが、月額500円となるとちょっと高いなーという印象ですね。
※ボリュームディスカウントもなくなるようです。
上記の通り、既存ユーザーの料金体系は変わらないとのことなので、今までのユーザーは料金変わらず使えてラッキーです。
サービス自体については、付加価値をつけるためのサービス改善として今後、何をどう改善していくのかも気になります。
現行のチャットワークの弱い部分は、
・タスク管理機能が貧弱
・スケジュール管理機能がない
といった点が思いつきますが、あくまで「チャットサービス」ということであえてそうしているのでしょう。
※何でもかんでも機能追加していたらグループウェアとの違いもなくなりますし。
チャットワークが活躍しているのは恐らく一般の中小企業で、
今までメールでのコミュニケーションが中心だったのが、チャットに代わって、レスも早くて便利になった!ひゃっは~。
みたいな声が多いんじゃないでしょうか。
※グループウェア使い始めると覚えることが増えたりかえって仕事が増えたりしますからね。サービスは仕事を減らしてなんぼでしょ。
私が個人的にチャットのサービスに求めるものは、
- 「いろいろと機能はいらんから、ひとつ低価格で頼むわ!」
- 「チャットとファイルのやりとりできたらとりあえずそれでええから!」
といったところです。
チャットワークは便利なサービスですが、1ユーザあたり月額500円というのはなかなか際どいところです。
・機能は限られていても低価格で、ある程度使えるチャットサービス
があればそっちに乗り換えたいというのが正直なところです。
こういうの考えてみるとチャットサービスに限らずですが、
「誰にこのサービスを使って欲しいのか」
「どういうシチュエーションでこのサービスを使って欲しいのか」
が明確になっているサービスが生き残っていくんではないかと思います。
エンジニアにはSlackの評判がいいですし、営業やマーケティングの人には(チャットサービスではないですが)SalesForceの評判がいいですね。
大企業であればチャットサービスよりも本格的なグループウェア(サイボウズとかAipoとか)の方が好まれている印象があります。
サービスを提供するにあたっては、
このサービスは誰をターゲットにしているのか
というのを真剣に考えないといけないんだなぁと思いました。